事例紹介:Ultrasonic Sciences Limited社
ボーイング社向け超音波検査装置にストーバーを活用
事例紹介:Ultrasonic Sciences Limited社
ボーイング社向け超音波検査装置にストーバーを活用
英国オールダーショットに拠点を置く Ultrasonic Sciences Limited (USL) は、特注の自動非破壊検査システムの設計・製造を専門とする企業です。
USL社 は 40 年にわたり、工業界に自動検査システムおよび PC ベースの計測機器を提供しており、これまでに数千台の機械を世界中に設置し、幅広い用途に対応してきました。 40 年にわたり、工業界に自動検査システムおよび PC ベースの計測機器を提供しており、これまでに数千台の機械を世界中に設置し、幅広い用途に対応してきました。
従業員 25 名の USL社は、航空宇宙、自動車、エネルギー、鉄道、原材料生産、製造業など、多岐にわたる業界に対して高度な超音波自動非破壊検査システムとサービスを提供しています。その特注検査ソリューションは、高精度の品質管理と材料の完全性分析に焦点を当てる顧客のニーズに応えています。
25 名の USL社は、航空宇宙、自動車、エネルギー、鉄道、原材料生産、製造業など、多岐にわたる業界に対して高度な超音波自動非破壊検査システムとサービスを提供しています。その特注検査ソリューションは、高精度の品質管理と材料の完全性分析に焦点を当てる顧客のニーズに応えています。
サプライヤー選定の課題と ストーバーとの出会い
USL社の技術営業マネージャーであるニコ・バイヤー氏は、特に機械毎のカスタマイズ要件を理解し、最適なソリューションを共同で開発できるサプライヤーの確保が課題であると感じていました。特にパンデミックの影響で、適切なパートナー探しが一層困難になっていました。そんな中、彼はストーバーに出会いました。
彼は ストーバー UK の代表であるマーティン・プリース氏にリードタイムについて問い合わせたところ、ストーバーの納期は他社と比較して大幅に短いことが分かりました。これは、USL社が大手航空宇宙企業向けの重要な契約を遂行するうえで、大きな利点となりました。
プロジェクト概要
ニコ・バイヤー氏と彼のチームは、長年の航空宇宙業界のクライアント向けに、12 軸のデュアルタワーマシンと 11 軸のガントリーマシン を設計・製造・設置するというミッションを任されました。
ニコ氏は次のように説明します。
「このような特注機は、市販の標準的な機械よりも、要求に完全に適合し、柔軟性と拡張性に優れ、精度と性能が向上し、特定の専門的な機能を備えているため、採用されることが多いです。USL社が大手航空宇宙企業向けの重要な契約を遂行するうえで、大きな利点となりました。
当社のすべての自動検査機では、モーション関連コンポーネント(モーターなど)の主な考慮事項として、精度、分解能、速度制御、トルク、負荷容量、クローズドループ制御、通信インターフェース、安全機能、耐久性 などが挙げられます。超音波自動検査機の機械システムは、長時間の使用、反復動作、頻繁な方向転換、そして湿度の高い環境下での稼働に耐える必要があります。」
ストーバーの選定理由
「マーティンと要件について話し合った結果、幅広い選択肢、高精度、高品質、信頼性 を兼ね備えた ストーバー製品を導入することで、市場をリードする機械を構築できると確信しました。」
特注機の特徴と用途
このシステムでは、航空宇宙用複合材料部品の検査において、両面からの透過超音波検査(Through Transmission)とパルスエコー(Pulse Echo)を同時に行うために、デュアルサイドマシンが必要でした。
広範囲のスキャンエリアと多様なエンドエフェクターにより、複雑な形状を持つ大型コンポーネント(リーディングエッジやフラップトラックフェアリング、厚いサンドイッチ構造部品など) の精密検査が可能になりました。さらに、厳格な機械的精度要件と超音波要件をすべて満たすことが求められました。
現在、この機械はボーイングの航空機構造および部品の検査施設に導入されており、すべての機械的精度要件を上回る性能を発揮しています。
ストーバーのソリューション
ストーバーは、プロジェクトの厳密な要件を満たすため、ニコ氏と USLチームとの複数回の技術ミーティングを経て、以下のコンポーネントを提供しました。
- リニア・ロータリー軸向けシステム
- 超コンパクトで高トルク・高ダイナミクスの EZ シリーズ サーボモータ
- 最新世代の SC6 シリーズ サーボドライブアンプ
- 剛性と精度を向上させる各種サーボ用減速機
- 最大 100 メートルまで対応可能な OCS(ワンケーブルソリューション)
※OCS:サーボモータの電源とエンコーダのケーブルを1本に統合した技術
「USL と協力して、各軸のトランスミッション(ラック&ピニオン、ボールねじ、ダイレクトドライブ)に応じた最適なモータとアンプを選定しました。ニコ氏のチームは、異なる軸ごとに複数の駆動方式を組み合わせることで、求められる精度、正確性、信頼性を実現しました。」(マーティン氏)
ストーバー の利点
「これまでさまざまなサプライヤーのモータやアンプを使用してきましたが、ストーバーは選択肢の豊富さ、精度、品質、信頼性 において圧倒的に優れています。」(ニコ氏)
「さらに、短納期と高い納期遵守率も大きな利点です。ストーバーは、他のサプライヤーと比較して一貫して短納期を実現しており、納期管理が非常に優れています。」
「また、以前使用していたモータには、摩擦フィードフォワード値※ を 100% 以上に設定できる機能がありました。ストーバーにこの機能の実装を相談したところ、SC6 サーボアンプで 最大 200% まで対応 してもらうことができました。このおかげで、機械軸のチューニングをさらに最適化でき、極めて高精度な位置決めが可能になりました。」
※摩擦フィードフォワード:摩擦による影響を事前に見越して補正をかける仕組み
ストーバーへの特別な感謝
「ストーバー のマーティンには、このプロジェクトを通じて並外れたサポート を提供していただきました。彼の迅速かつ親身な対応のおかげで、機械の設計・製造・納品のすべての段階で必要なガイダンスとサポートを受けることができました。」
「ストーバー の専門知識と献身的な対応により、当社の自動超音波検査システムへのスムーズな統合が可能となり、運用の効率と効果が大幅に向上しました。」

本装置の動画へのリンクもあります